(8)YAMAHA FG−240&FG−170







ギターというのは
側板や裏板に使用されいる木材の種類によって
グレード・・・みたいなものがあって
たとえば
1970年代のヤマハのギターの場合
側板や裏板が

マホガニー製

ローズウッド製

コーラルローズウッド製

ハカランダ(=ブラジリアンローズウッド)製

となるに従い
価格がひとまわりずつ
上がっていった


マホガニーの下にも
いくつか
安価な木材が
ギター材として
使われていたみたいだけれど
基本的には
このラインが当時はベースになっていたようだ


当時
最も低い価格帯ギターの木材であったマホガニーも
最近では
かなり希少な材となったようで
現在
ヤマハの低価格ギターで
サイドとバック、あるいはネックに
マホガニーを使用したものはなく
ナトーという代用材になってしまっている


なので
側板や裏板が
マホガニー製の中古ギターを
オークションなどで
リーズナブルな価格で手に入れるというのは

それなりに意味のあることになっている



それはさておき
赤ラベルのFG−350
グリーンラベルのFG−450とFG−440などを
手に入れて
オールドFGの魅力に
すっかりはまってしまった自分だったが
マホガニー製のギターというのは
はたして
そんなにも
ローズウッド製のギターと
音色が違うのだろうか・・・
という疑問のようなものが
自分のなかでムクムクと沸き起こってきた!


価格の高い
グレードの高いギターが
やっぱり音も良いんだろうなあ・・・と
単純にそんなふうに思っていたので
最初は
マホガニー製のギターには
それほど興味がなかったのだが
ヤマハのオールドFGである
ウエスタンのFG−180と
フォークタイプのFG−150が
マホガニー製ということを考えたら
やっぱり
ここは
一度自分で弾いてみないことには
何事もわからん!!
という結論?に達し
マホガニー製ギターの
購入計画を練り始めたのだった・・・(^^;)



そこで
FGの中から選ぶとすると
やはり
FG−180あるいはFG−150が欲しいなあ〜
と思ったのだが
この両者は
FGシリーズの原点ともいうべき赤ラベルのギターであるため
プレミアがついていることもあって
価格はかなり高い!!


数年前にFGブームが到来したときには
洒落にならないくらい高かったらしいが
大きなブームが去った今でも
程度の良いFG−180やFG−150だと
その後のグリーンラベルや黒ラベルの
同スペックのギターの
数倍の価格となっている



そこで
とりあえず
音を聴いてみるなら
グリーンラベル
あるいは
黒ラベルの
マホガニー製のギターを
手に入れてみるのも手だな・・・と思い
さて
どれにしようか・・・と
迷いはじめた



グリーンラベル期(1972〜1974年)の
マホガニー製のギターは

ウエスタン:FG−240
フォーク:FG−170

黒ラベル期(1974〜1975年)の
マホガニー製のギターは

ウエスタン:FG−250J
フォーク:FG−250F

が存在する



いずれも全合板ではあるが
トップはスプルース
ブリッジと指板はローズウッド
そしてネックはアフリカンマホガニー
と当時はネックにも
マホガニーが使われていたのである
(今から考えると夢みたい!)


黒ラベル期だと
さらに
ネックはナトーになっているが
ウエスタン:FG−200J
フォーク:200F
があった


型番に0(ゼロ)をふたつ
つけると当時の価格になるが
最近のオークション市場での価格は
いずれも高くても1万円前後だろうか・・・


そこで
グリーンラベル期に狙いを定め
マホガニー製のギターを
捜してみることにした


グリーンラベル期のマホガニー製のギターで
一番高かったウエスタンタイプのギターは
上記のFG−240(当時価格:24000円(1972年)。。。)


オークションで捜してみると
やはり1万円以下で手ごろなものがでていた♪


オークション写真をみると
かなり綺麗なギターのようだが
弦が張られていないため弦高に関する記述がなく
ギターの状態に関する情報も極めて少ない・・・


少し迷ったが
『まあここは勝負だ!』と心を決めて
またまた安易に落札・・・(^^;)





落札後は すぐに
そのFG−240が自分のもとへやってきた!









ケースから恐る恐るとりだしてみると
弦は張っていないものの
写真のとおり
なかなかの美品だったのでまずは満足♪


サドルもたっぷり残っていたので
多少弦高が高い場合にも
弦高は下げることができそうだった




なんだかうれしくなり
早速弦を張り
弾いてみたところ・・・




でてきた音は
予想していた音とはかなり異なる
煌びやかな音だった!




マホガニー・・・なんていうマッタリした語感から
木魚の音みたいな
ポンポン
あるいはポクポクと鳴るような
そんな音を
勝手にイメージしていたのだが
爪弾いてみると
出てきた音は
澄んだ金属音を思わせるような
さっぱりとした綺麗な音だった


でも
だからといって
木のぬくもりを感じさせないような冷たい音か、、、
といえば そんなツンとした音ではなく
キンキン鳴りながらも
あたたかみをあわせもつ
そんな何処か懐かしいような音だ


ギターらしいというか
何というか
とにかくそんな感じの音なのだ


低音弦の6弦も
なかなか
いい感じである♪


そして
ウエスタンタイプは
やはりどちらかといえば
ストローク向きのギターなのだろう


このFG−240も
ストロークでガンガン弾くと
これまたとても気持ちが良い!!


これまでに
ローズウッド製、ハカランダ製、
あるいはコーラルローズウッド製のギターなどを弾いて
自分の感性にはコーラルローズが一番あうかな〜・・・
なんて思っていたのだが
このFG−240を弾いたら 
マホガニー製のギターの音が
自分には、自分の歌には
一番あっているのかもしれないな・・・
なんて思ったりもした



音色をお茶にたとえると
マホガニー製のギターの音色は
ストレートティーな感じで
ローズウッド製やハカランダ製のギターの音色は
ミルクティーやカフェオレのような音・・・
といった位置関係になるのではなかろうか・・・
と思う


ミルクの分だけ値段が高い
というだけで
ストレートティーが
ミルクティー
に劣るというわけではない


つまりは
好みの問題ということで
マホガニー製のギターが
一番好きだという人がいても
ちっともおかしくない



ただし、、、、
やはり。。。。というか
オークションギターの多くがそうであるように
状態はベストではなく
弦を張りかえてみると
弦高が少し高く
6弦12フレットで
最初は約5ミリメートルくらいあった・・・


幸いトラス・ロッドがまわったので
それを
めいっぱいしめて調整すると
約4ミリメートルくらいに・・・


サドルも牛骨で作りなおし
さらに調整すると
弦高はさらに下がって
かなり弾きやすくなり
十分戦力となるギターになった♪



マホガニー製のギターも
なかなかやるではないか!!
なんて思いつつ
FG−240をジャカジャカ弾きながら
その音に浸っていたのだが
そうすると
今度は
同じグリーンラベル期のギターで
ちょっと小ぶりなフォークタイプの
FG−170(当時17000円)のことも
なんだか急に気になってきた(^^;)!



ウエスタンタイプの
大きめボディーのFG−240の鳴りに対して
フォークタイプのFG−170からは
はたしてどんな音が・・・


うれしいことに
このFG−170も
グリーンラベル期のギターゆえなのか
人気が低く
市場価格は
赤ラベル期のギターと比べると
かなり低めとなっており
約1万円で
何本かのギターがオークションにでていた


それで 
「ええい!今回も飲みに行ったと思えば・・・」・・・的な論理に従い
FG−240を買ったばかりだというのに 
これまたオークションにでていたものを
すぐさま落札してしまったのだった・・・(^^;)






宅急便のお兄さんに
「またまたギターですよ〜(^^)♪」なんて
笑われながら
そのFG−170も
その後すぐに自分の元へやってきた!









今回手にいれたFG−170は
長いこと倉庫で眠っていたギターとのことだったが
みためはかなり綺麗なギターだった!


写真でわかるように
フォークタイプは
ウエスタンタイプに比べて
非常にスリムな形状となっている


しかし
弦はサビサビで
弦高もこれまた高く
6弦12フレットで5ミリくらい・・・


でもサドルはオリジナルの
未加工なものが着いているので
今後リペアすれば
もっと弾きやすいギターになるだろう!


いろいろ手を入れたいところはあったが
とりあえずサビサビ弦を
新品に張り替えて
早速弾いてみたところ・・・




意外や意外!




小さなボディーからでてきたのは
FG−240をうわまわるように感じる音量の
澄み切った音だった♪




こんな小さなボディーの何処から
こんな音がでるんだろうと思うくらい
これは本当に良くなるギターで
FG−240よりも
すんなりと音がでるので
弾いていてこっちのほうが気持ちが良い!!


きっと
同じマホガニー製のギターであるFG−150も
こんなふうに小さいボディーから
気持ちよく音がでるギターなのではないかな
と思う



FG−170をはじめ
フォークタイプのギターは
コンパクトで持ち運びにも便利なので
これから何処かへ
ギターを持っていかなければならない!
なんていう時には
このFG−170をもっていきたい



フォークタイプとはいえ
音量が
かなりあるので
持って行った先でも
十分に活躍してくれることだろう



赤ラベルのFG−180や150も
きっとすごく良いのだろうけれど
グリーンラベル期の
FG−240とFG−170も
なかなか侮れない存在だということがわかった





まあまあ
そんなわけで
マホガニー製ギターの実力みたいなものを知ると
やっぱり
次に気になるのは
有名なマーチンやギブソンのギター・・・


ギブソンのJ−50が
すんごく気になってる・・・(^^;)


そして
それらと肩を並べるように?
ヤマハからも
FGの集大成として
『The FG』なんていう全単板の
マホガニー製のギターも
でていたりする・・・


全単板ゆえに
価格も当然高価だったりするわけで
なかなか手がでないけれど・・・



とりあえずは
楽器店で
そういうハイレベルなギターも
少しずつ
弾かせてもらって
その音色を知りながら
チャンスがあれば
いつかゲットしたいなあ〜なんて
そんなことを夢みている
今日この頃の自分であります・・・(^^;)





END




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