(6)YAMAHA FG−400J








村雨さんから譲っていただいたFG−350は
ほんとうにすばらしく
昨年の夏の終わりは
ずっとFG-350を弾いていた


FG−350は
その後の緑ラベルでFG−360に
そして
その後の黒ラベルの時代には
FG−400Jという型番のギターとなる


この3本のギターはほぼ同スペックなのだが
1970年代のはじめ頃というのは
ヘビーゲージという超太い弦を張って
ギターをガンガンかき鳴らしていた時代だったようで
そんな時代に対応すべく
ヤマハのギターも
ヘビーゲージが張れるように
より頑丈なギターへと変化していったみたいだ


赤ラベル以降の
グリーンラベルそして黒ラベルの時代は
ネックがやや太めになり
ヘッド形状もヘビーゲージを意識した形となった



ネックが太くなったといっても
クラッシックギターのような太さでは
もちろんなく
手がそれほど大きくない自分が
はじめて緑ラベル・黒ラベルのギターを
手にしたときにすぐに太い!!
とは感じなかったことから
最近の細身のネックから比べれば
太いというレベルだと思う



ヘッド形状も
それまでのV型(Y型?)ヘッドから
いわゆるバルタンヘッドという
非常に個性的な形となった



このやや太いネックと
独特のヘッド形状のためか
緑ラベルと黒ラベル期のギターは
それまでの赤ラベルより
中古ギター市場での人気が低く
価格も
赤ラベルと比べるとかなり安い


だが
そんなふうに
人気はやや低めの
緑ラベルと黒ラベル時代だが
ネットでいろいろなコメントを読んでみると
赤ラベル時代よりも
音は良くなっている!
というコメントもたくさんあり
緑ラベル最高!とか
黒ラベルは赤ラベル以上!!
なんて声もある


そこで
FG−350がとてもよかったので
緑ラベルを経て
黒ラベルとなった
同スペックのFG−400Jが
いったいどんな音をだすのかが
非常に気になり
程度の良さそうなものはないかなあ〜と
いろいろ捜し始めていた



すると・・・
夏の終わり頃に
かなり綺麗なFG−400Jが
タイミング良く
オークションに登場してきた!



ギターの状態を説明するコメントを読むと
倉庫か物置のようなところで
長いこと眠っていた
かわいそうなギターだったとのこと


弦高は少し高め、、、
とあるので
ネックは反っているのかも


でもコメントをさらに読むと
ネックに反りはないようです・・・とある



すごい矛盾(^^;)



ボディートップに膨らみがあって
弦高が高くなっているのかもしれない


さて、、、
入札しようかどうしよう、、、
と迷いながら
オークションの掲載写真をみていたのだが
写真の中に
ヘッドの様子を撮った写真が一枚あり
それをみると
弦の巻き取り方がまちがっていて
それが えらく 気になってしまった





ボタンを掛け違えた服を
ずっと着せられたままみたいな状態で

何年も倉庫に眠っていたのかなあ〜・・・
なんて思っていたら
なんだか
このギターがえらく不憫に思えてきて
これはなんとしても
一刻も早く救出?して
自分の手で
きちんと弦を張りなおしたい!!

なぜか そんな気になってしまったのだった(^^;)



このYAMAHAのFG−400J

トップはスプルース合板
サイドとバックには
コーラルローズウッドの合板が使用されている


1974年当時の定価が40000円


オークションでの落札価格の平均は
1.5〜3万円くらいだろうか


まあまあのものなら
15000円くらいで
かなりの美品や状態の良いものなら
20000円〜25000円程度で
落札されているとおもう


そこで自分なりの上限価格を3万円!と決めて
入札に臨んだところ
上限価格の手前で
なんとか めでたく
落札することができた(^^)





そして
それから数日後・・・
黒ラベルFG−400Jが
自分の元へやってきた!


ケースをあけると
ほんとに確かに綺麗なFG−400Jが
そこにあった


こんな美品は
なかなかないな・・・
とまず満足(^^)♪


シリアル番号から
1974年製であることが判明


弦の巻き取り方は
やはりオークション時の写真のままだったので
ボデイー全体を簡単に
クリーニングしてから
早速
弦交換にとりかかり
正しい方向に
新しいピカピカの弦を張り替えた





弦を張り終えて弦高をみると
やはり弦高がかなり高く
6弦12フレットで5ミリメートルくらいあった


オークションのコメントでは
ネックに反りはないようです・・・
なんて書いてあったが
やっぱりしっかり少し反っていた
(ギターのオークションで
ネックに反りはない
と断言しているもの以外は
まずネックは反っているかも・・・
と思ったほうがいい^^;)


しかし
トラス・ロッドが
まだ少しまわったので
それを最後ギリギリまでまわして
ネック調整してみると
弦高は1ミリ下がり
4ミリとなった


サドルはまだ3ミリ程度余裕があるので
サドルでさらに調整すれば
もう少し弦高は下げれそうだ




そして音♪ 肝心の音であるが・・・


実は
あまり音については気にしていなかった・・・
というか
それほど期待はしていなかった


先日手に入れたFG−450や
FG−350を
大幅に超える、、、なんてことはないだろう
・・・と
そんなふうに侮っていたのだ


使っている材もFG−350と同じなのだし
驚くほど違うわけがない・・・と



『が・・・・』



弾いてみると とんでもなかった!!


黒ラベルのFGのすごさ、、、
みたいなものを思い知らされた瞬間だった


6弦を爪弾いてみたら
予想以上の
深い音が

『ズン!!!』


とびだしてきたのだ


たいして良い弦を張ったわけではない


600円くらいのマーチンの
ふつうのライトゲージである


それなのに
こ、、、この低音は
いったいなんなんだ!!と
決して大袈裟に言うのではなく
ほんとうにびっくりしてしまった


実はこのあと
ほんとうにすべてのFG−400Jが
こんなに深い低音をだすのか知りたくなり
もう1本400Jを落札してみたのだが(^^;)
そのFG−400Jの低音も
かなりレベルは高いものの
この最初にゲットしたFG−400Jには到底
及ぶものではなかった


やはり個体差というものがあるようだ


自分が最初にゲットしたこのFG-400Jは
大当たり!!の1本だったみたいである



低音弦の6弦の音だけをとれば
自分がもっているギターのなかで
間違いなくNo1!である


サドルをその後
牛骨製につくりかえてみたところ
低音はますます深くキレのある音となり
低音が凄すぎて
かえって
全体的なバランスは悪くなったような気さえする・・・(^^;)


そして
全体的な音量も
ものすごくあがった!!


高音部分も
艶のある音で
このFG−400Jは
ほんとうに凄い!!


いろいろな高級ギターと弾き比べれば
そりゃあ負けてしまう部分もあるけれど
その音質は
自信をもって
ハイレベルのものであると
断言できる



緑ラベルがいいとか
黒ラベルがいいとか
いろんな意見があるけれど
やはり 当たり はずれ ではないが
特に良くできていたものというのがあって
それで
その当たりのギターを手にしたひとが
自分のギターのラベルの時代が最高!
と言っているのではないかな、、、と思う


そして
当時のヤマハのFGは
使用されている材の良さもあり
大当たりギターでなくとも
かなり良くできており
それだからこそ
今もこんなにも
赤ラベル 緑ラベル 黒ラベル のギターが
人気を集めているに違いない



FG−400Jもそうだし
黒ラベル期のFGは
確かにネックがやや太く
ヘッドも好き嫌いがわかれるところである


デザインもシンプルすぎて
自分はそのシンプルさが好きだが
ギターにもっと
ルックス的なものを求める人もいるだろう


でも
自分はこの後も
何本かの黒ラベルのギターを手にしてみて
黒ラベル期のギターが
一番気にいっている


たまたま手にしたFG−400Jが
大当たりだったということも
もちろんあるのだけれど
それ以上に
黒ラベル期のギターは
どれも
音に安定感があり
いつまでも弾いていたい
と思わせるものが多いからだ



黒ラベル期というのは
ヤマハが高級機種の
Lシリーズを
新たに立ち上げる前夜・・・
と言えるような時期なので
黒ラベル期のギターというのは
Lシリーズの試作期みたいな立場に
あったのかもしれない


それで
それまでのFGよりも
Lシリーズ寄りの
Lシリーズの新技術みたいなものが
少し盛り込まれているのかも



また
黒ラベル期は
わずか1年半という短期間で
終わってしまったけれど
オールドFGシリーズの中では
最もラインアップの多かったシリーズである


なので
黒ラベル期というのは
ヤマハの古いFGを研究したい!!
という人にとっては
いろんな木材で作られたギターを
いろいろ自分で実際に弾いて
その音の違いを楽しめる
最適の時代かな〜とも思う


オークションでの価格も
赤ラベル期のものと比べたら
かなり安いということもあるし(^^)



オークションで
あるいは
中古ギターショップで
あなたが
大当たりFGにめぐりあえることを
祈っております(^^)



そして
できることなら
FG−400Jをまずは
ゲットしていただきたく
そして
大当たりのFG−400Jの
すさまじく深い6弦の音を
ぜひとも体感していただきたい!!


と思うのであります




















END



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