(7)YAMAHA FG−440








ヤマハのFGシリーズのギターの
ボディー形状には
二つのタイプがあって
ひとつは
大きなボディーサイズのウエスタンタイプであり
そしてもうひとつは
スリムなフォークタイプである
(大きめサイズにはジャンボサイズというのもあった)



これまでこのコーナーに書いた
FG−450
FG−350
FG−400Jは
いずれも
大きめボディーの音量豊かなウエスタンタイプで
ストロークでガンガン弾くと
気持ちが良い



一方
フォークタイプは
スリムなボディー形状が特徴で
音量よりも音質を重視したモデル・・・と思われ
フィンガリング指向のギターなのだろう



現在のヤマハのギターでは
ウエスタンタイプはFG
フォークタイプはFS
というシリーズに分かれ
それぞれ販売されているみたいだが
以前はFGシリーズの中に
ウエスタンタイプとフォークタイプが共存していた



そしてさらに
ウエスタンタイプと
フォークタイプには
各部の材料が全く同一の
対応する機種というのが存在した



その典型と言えるのが
有名な赤ラベルの
FG−180(ウエスタン)とFG−150(フォーク)であり
どちらも
トップはスプルース合板
サイドとバックはマホガニー合板
そしてブリッジと指盤はローズウッド
ネックにはマホガニーが使用され
ボディー形状だけが異なっていた



自分がはじめて手にした
古いヤマハのFGシリーズのギターは
ウエスタンのFG−450だったが
そのFG−450にも
兄弟のような、、、というか
恋人のような、、、というか
全く同じ材料で作られた対応するフォークタイプの
FG−440というギターが存在していた



FG−450とFG−440は
どちらも
1972年6月から1974年7月にかけて
生産・販売されたモデルで
当時のFG−450が45000円
そしてFG−440は44000円



フォークタイプはウエスタンタイプよりも
スリムな分
使用する木材が少なくて済むから・・・
という単純な理由からだとおもう

フォークタイプの方が
ほんの少しだけ値段が安かったようだ




この2本のコンビは
いずれも
全合板だが
ヤマハのグリーンラベル時代の
FGの合板モデルの中では
最上位に
位置していた機種である



トップはスプルース合板
サイドとバックには
ニューハカランダという
ヤマハで当時使用されていた
ハカランダによく似た木材が
使用されていて
見た目も音質も
かなり
リッチな感じに仕上がっている♪



それゆえ
中古楽器店やオークションに登場してきたときの
この2本のギターの価格は
状態が良いものだと
発売から40年近く経とうとしている今でも
当時の定価以上の高値で取引されている


中古楽器店でこれまで見たFG−440で
40000円以下だったものを見たことがない
(まあ、今このFG−440のようなギターを作って売ったら
10万円くらいになるかもしれないので
それを考えれば
5万円以下であればかなり安いといえるのだけれど・・・)



そんなわけで
FG−440にも
興味を持ってはいたけれど
状態の良いものがでてくることは少なく
良いものがでてきても高いし
それに
自分には既にFG−450があって
自分はどちらかといえば
音量豊かなウエスタンの方が好きなので
フォークタイプのFG−440を
ゲットすることはないだろうな・・・と
なんとなく
そんなふうに思っていたのだった



しかし!!


である



2008年秋以降の不景気到来が
自分にFG−440ゲットのチャンスを
もたらすことになった(^^;)



昨年2008年の夏の終わり
リーマンショックとかいう騒ぎが突如起こり
またまた。。。というかんじで
不景気なムードが
日本列島を覆い始め
ギターのオークション市場にも
この影響は
明らかに
でてきていた・・・ように思う
(そして今もそれは続いているような気がする)


それまでの相場価格より
1〜2割くらい取引価格が
下がったように思うからだ



ギターというのは
プロでもない限り
実生活では
直接的に何かの役に立つ・・・
というものではないので
不景気になると
やはりどうしても
購入が
手控えられてしまうのだろう


オークションなどにでてくる
中古ギターは特にそうかもしれない



そんな不景気到来の頃
かなり程度の良さそうなFG−440が
オークションに登場してきたのだった



それまでの相場から考えると
このFG−440も
かなり高値で落札されていくと
予想された



しかし・・・



オークションが進行しても
入札価格は
安値で足踏みしたままだった



そして
オークションの残り時間
あと1時間!!となっても
まだ入札価格が
一向に動こうとしない



これから大激戦がはじまるのかな?
と思い動向を見守っていたのだが
30分前になってもまだ動かず
25000円付近のままだった!!



そこで
ダメもとで
最高価格30000円で
とりあえず
入札してみた!



「意味ないけどなあ〜」
と思いながら
その後の動向を見ていたのだが
その後
少し追っかけ入札はあったものの
なんと!!
30000円以下で
すんなりと
このFG−440を
落札できてしまったのだった(^^)



パソコンの前で
万歳してしまったことを
今でも憶えてる(^^;)



たまたま
ウオッチしている人が
少なかっただけなのかもしれないが
やはり
不景気のおかげだったのかな
なんて思いながら
まあ
そんなわけで
とにかく運良く
憧れのFG−440を
手に入れることができたのだった



しかし・・・
今思うと
このFG−440ゲットが
その後
自分をオールドFGのコレクターのような道へと
誘うきっかけになったような気がする・・・(^^;)



FG−450とFG−440という
ある意味
貴重なペアを手にすることができたので
他のそのようなペアも
手元に置いておきたい・・・
と思うようになってしまったからだ・・・



まあ
それはいいとして
落札後
FG−440は
すぐに自分の元へやってきた



そして
このときの出品者の方も
とても几帳面な方で
非常に丁寧に梱包してくださり
自分の元へ届いたFG−440は
こんなふうに
綺麗な箱に入れて
届けられたのだった






自分の経験から言って
丁寧な梱包で届いたギターに
悪いものはない


この取引は
最高に運が良かったと
改めて思った


届いたFG−440も
オークションのコメント通りの状態で
文句なし!!


ニューハカランダの
サイドとバックは
見た目も美しく大満足だった














ブリッジと指盤は
FG−450と同様に縞黒檀と豪華!!



シリアル番号から
製造年は1973年



早速弾いてみると
新しいエクストラライトゲージが
張ってあるようだったが
その音は柔らかく
マイルドで
FG−450とは
全く違うキャラクターだった



音の出方や音質が
FG−450とは
明らかに違う



ギター自身が鳴っている・・・
といえばいいのか・・・
ほんとうに
自然に
さりげなく
柔らかな音が
まあるく
出てくる



そんな
なんともいえない
やさしい
あたたかみのある音色を持つ
ギターなのだった



このあと
サドルを牛骨で作り替え
ライトゲージを張ってみたのだが
思っていたより
音は固くならず
柔らかな音のまま
音量が増し
その広がりが
さらにさらに
大きくなったような感じで
包容力のようなものが増した


張る弦によってもかなり変わるんだな
と改めて思い
このFG−440に合う弦を
これから捜していこうとおもう



ウエスタンとフォークでは
ボディー形状の違いから
音量が違うのだろう・・・くらいにしか
考えていなかったが
方向性のようなものが
全く違うんだな・・・と
実際に
フォークタイプのFG−440を弾いてみて
良くわかった



全く同じ材で作った
FG−450とFG−440で
こんなにも違うのだから



FG−450と並べて
ツーショットで撮ると
2本のギターの
形状の違いがよくわかる(^^)







・・・とまあ
こんなふうに
不景気のおかげか
人気機種であるFG−440を
かなりのお買い得価格で
ゲットできたわけなのだが
これにより
はずみがついた!というか
このあとも
さらに
いろいろギターを買ってしまうことになり
安値で
FG−440をゲットできたことは
ある意味
高くついたのかも・・・なんて
思えなくもない2008年の
秋なのでした・・・(^^;)



つづく







END



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