(2)YAMAHA LL-36








2003年秋からホームページで歌の公開をはじめて
1年半近く経った2005年5月のこと


あの頃は
毎週新しい歌を録音して、、、公開して、、、と
別に仕事でもないのに
なんだかやたら忙しい時期だった

もちろん楽しい時間だったのだけれども・・・


そこで
別に自分にご褒美、、、とか
そんなわけでも なかったが
新しいギターを!
それもかなり高価なほんとうに
一生使えるような良いギターが欲しい!
と思い
ギターに詳しい友人のMに良い店を紹介してもらい
ふたりで一緒に
東京は渋谷の楽器店へとでかけていったのだった


自分の拙い演奏技術はさておき
実は有名な
『マーチンのギターを買おう!!』
と心に決めていた


マーチンのギターというのは
プロのミュージシャンも使っている本格的なギターで
その高音は
『シャリーン』と金属音かと思わせるような輝きをもった音で
その音にずっと憧れていたからだ


あんな高音を響かせながら唄えたら
さぞかし気持ちがいいだろうなあ〜と
ほんと夢にまでみていた(^^)


それで店につくと
その店には壁一面にマーチンのギターが
信じられないくらい吊るされていたのだが
マーチンの中でも
有名なD−28やD−18といった型番を
次から次へと
弾かせてもらったのだった



しかし・・・・



自分の演奏技術のレベルが低いせいか
手にしたマーチンのギターは
どれもネックがものすごく太く感じて弾きにくく
そして音も
自分が思っていたような鳴りではなかった・・・


『マーチンのギターというのは
手の大きなアメリカ人のために作られたギターなのであろうか!?』
なんて
なんともまた自分勝手な
印象を抱いてしまったほどだ・・・(^^;)


つい最近
マーチンのD−18を弾いたが
ちっともネックが太いとは
感じなかったので
やはり
あのときあんなふうに感じたのは
単に自分が実力不足すぎたせいだったからみたいだ



そんなわけで
あのときは
どうにも
マーチンのギターが
自分の手にしっくりこなくて
音も自分へ響いてこなかったので
マーチンのギターへの興味は
一気に失せてしまった


そこで
せっかくだから
マーチン以外のギターも弾かせてもらうか・・・
とおもい
2004年に
刷新されたばかりのヤマハのLLシリーズを
弾かせてもらったのだった



その頃
モデルチェンジ後
約一年を経たヤマハのLLシリーズの中では
大きめなボディーのLL−36と
小ぶりでちょっとユニークなボディー形状のLS−36という
2本のギターが東西の横綱のように
どっしりと君臨している、、、ように自分には思えた
(もう1本 LJ−36というのもありますが・・・)


LL-36 LS-36




ヤマハのギターでは
特別注文のものが最も高い価格になっているが
この2本は
特別注文品ではないものの
手作りの所謂ハンドクラフト製のギターのなかでは
現在でも最高グレードのギターとなっている


前評判では
LS−36の音が個性的でおもしろい!!ということだったが
自分はどうもあのときは
LS−36のそのユニークな形状が好きになれなかった


そこで
LL−36を弾かせてもらったのだが
手にした途端に
それはもう感動するくらいに
ぴたりとネックが手の中に収まり
先ほどのマーチンのギターはネックが太い!!
と感じた直後でもあったことから
運命のようなものさえ感じるほど
その第一印象はすばらしくよかった!


ギター選びに関しては
素人同然の自分であったが
マーチンのギターのようなキラキラした高音
そして
とにかく低音が響くギターがほしいと思っていた


そこで
LL−36を弾きはじめたところ
高音に関しては
上品な甘い音で
マーチンのような金属音的なものとは少し違う音だったけれども
これはこれで十分ありだな。。。と思える音だった


そして次に低音♪
低音はどうだろうか、、、と
6弦を爪弾いてみたところ・・・



あれ???



なぜか
今ひとつ
思っていたような深い音がでてこない


全体をジャラ〜ンと鳴らしたときの音は
ものすごくよくて感動的なのに
いかんせん
低音弦の6弦が
自分の望んでいるような深い音ではなかった


しかし
ヤマハのラインナップの中で
ハイグレードに位置するこのギターの低音が
こんなはずはない、、、と思い



「これは弦が古いからなのだな・・・」



なんて考え


「きっと弦を張り替えたら すばらしく低音も響き 
全体的に自分を大いに満足させてくれるギターになるに違いない!!」


と勝手に思い込み
なんとそんなふうな単なる思い込みから
あっさりと
かなり高価なそのギターの購入に
踏み切ってしまったのだった(^^;)







家に帰り
早速
弦を新しいものに張り替えて
弾いてみた


新しい弦だと
さすがに音がキラキラと響き渡り
店で弾いたときよりも
遥かにグレードアップした音が
飛び出してきた!!



しかし・・・



期待していた低音は
新しい弦に張り替えても
店で感じたのと同じように
いまひとつ
響いてこなくて
深みのない淋しい音のままだった・・・



弦の張り方が悪いからなのだろうか・・・
やはり自分の腕のせいなのだろうか・・・
などなど
あれこれ考えて
いろいろ試してみたりもしたのだが
やはり低音は冴えないままで
かなりがっかりしてしまった


もちろん
歌の演奏に使ったときは
かなり満足度の高い音をだすギターだったのだが
何気なく
爪弾いたときの低音の物足りなさが
自分にとっては
その後
弾くたびに
かなりのストレスになっていた



そんなわけで
それからしばらくは
実家に置いておいて
帰省したときにだけ弾くような・・・
そんな寂しい存在に
一時期はなってしまっていた



正直
ちょっと失敗したかな、、、と
しばらく思っていた



しかし・・・である



アコースティックギターというのは
時間の経過とともに
刻々と変化、、、
いや成長するものなのだ・・・ということを
このギターを買ってから
3年近く経った昨年春くらいから
自分は実感することになる


製造から3〜4年くらいを経た昨年春くらいから
このLL−36は低音が響きはじめたのである


『ポワ〜ン』というような情けないような6弦の音が
『ズ〜ン』という音へと変化しはじめたのだ


木材の水分がとんで
乾いてきたからなのだろうか


全体的にも
とてもしっかりとした音になってきて
それは素人の自分にもはっきりとわかり
安いギターの音とは比べものにならない


買ったばかりの頃は
まだ木が若すぎたのだ


高音部分はその若さが逆に良かった部分もあった


買った直後に録音したファイルを聞くと
若いギターにしかだせないと思われる甘い音がして
高音に関しては
若いギターなりの良さのようなものが
確かにあるなと思う


今の音は
確かにあの頃に比べると深い音になったが
あの頃のような若い?瑞々しい音では
もうなくなってしまっている


ところがどっこい
低音に関しては
時間が経てばたつほど
ギターというのは
深く響く音になるようで
低音は今のほうが
遥かにすばらしい!


そんなふうに
変化・成長をみせはじめたLL−36は
いまでは価格以上の満足度を
自分にもたらしてくれている



やはり価格にみあうギターだったのだ



今は手元に置き
毎日弾くようにしている


少しずつではあるが
さらに低音
そして全体的な音も
成長しているように感じる



良いギターというのは
音が伸びる



音の余韻が
自分の拙い演奏技術を
全面的にカバーしてくれているのが
録音したファイルを聴くとよくわかる(^^;)


そして
そんな音の余韻を意識しながら弾くと
ギター演奏技術というのは
上達がはやいのでは、、、なんて
最近思うようになった



楽器をうまくなりたいと思ったら
良い楽器を買え!と言われたことがあるが
おそらくそういうことなのかもしれない



自分のLL−36は
2004年製か2005年製


ということは今年で
製造後4年〜5年ということになるわけだが
あと5年したら10歳になるわけで
製造後10年経ったときには
どんな音になるのか・・・と思うと
ワクワクしてくる(^^)


LL−36を自分のように新品で手に入れて
購入後
その音に少し期待はずれの感を抱いている人が
いるかもしれないが
でも
けして手離さずに
持ち続けてほしいと思う


LL−36は必ずや成長して
期待通りの
そして期待以上の音を奏でる
名器に必ずなると思うからだ


自分はこれから
きっと死ぬまで
このLL−36は手元に置いて
ずっと弾いていくと思う


LL−36は
その装飾も美しく
見ていても飽きない(^^)



そして
深い音に反するその軽さ



「良いギターは軽い」
というが
ほんとそうだと実感する


LL−36もびっくりするくらい軽い!!



これからさらに成長、進化していくであろうLL−36


自分もそれについていきたい!
ついていけたら・・・と
ただただ思う
今日この頃の自分である・・・(^^;)
































END



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