♪再生♪






深夜の鏡





鏡の中で 僕の右手は左手
何もかもが あべこべの世界が向こう側にある

僕と同じ様な寂しい顔で見つめ返すあいつは
実は向こうの世界で うまくやっているに違いない

弱さの言い訳に 繊細なんて言葉をもちだし
鈍感な自分を美化する そんなことだけはしたくない

鏡の中の僕なら うまく笑えるのだろう
鏡の中の僕なら 過ちなんておかさない
鏡の中の僕なら したたかにやるのだろう
鏡の中の僕なら ため息なんて こぼしたりしないだろう



鏡の中の 僕と静かに向き合う
「こちらが僕の生きる世界だから」と 互いにつぶやく

真夜中 冷たい水で 何度も顔を洗っている
それは僕なりの覚悟と言ったら あいつは笑うに違いない

思えば 不器用も 器用の単なる裏返しだね
どちらが正しいと いうのでもないことに 今 気づいたよ

鏡の中の僕には 何ひとつわからないだろう
鏡の中の僕には 孤独も 寂しさも 痛みさえも
鏡の中の僕には 君を愛せないだろう
鏡の中の僕には 僕以上に君を愛せはしないだろう