『北斎展リポート』(2005.11.30)
今日で11月も終わり
明日から12月
今年もあと一ヶ月
ほんとうに早いです
この時期になり
何もできないまま今年という時間も
過ぎてゆくように感じるし
実際
何もできなかったのは
要するに
自分に確固たる意志がないからだ!
ということが
最近よくわかってきた自分です
あたりまえだけれど
やりたいことをやる!・・・場合
ただやれればいいなんて
甘ったれたことは言わず
絶対にやりとおすのだという
確固たる意志をもって
やろうと決めました
・・・と
自分本位なというか
訳のわからない書き出しに今回もなりましたが(^^;)
ところで
先日
東京は上野で開催されている『北斎展』へ行ってきました
葛飾北斎は
人生五十年と言われていた時代に90歳まで生きた人で
その作品としては
やはり『冨嶽三十六景』が有名で
自分もそれ以外は詳しいことは
まるで知らなかったわけなんですが
その『冨嶽三十六景』も70歳を過ぎてからの作品と聞いてびっくりし
自分のなかで
北斎というひとが
日々どんどん大きくなってきて
ネットでいろいろ調べているうちに
北斎の作品をどうしても自分のこの目で見てみたい!という衝動が
湧いてきたのでした
今年は5月にでかけていったゴッホ展が
すごくよかったので
何か機会があったら
またそういう展覧会へ出かけたいと思っていたんですが
そんなところへ
ちょうど
やってきたのが
今回の北斎展!
(ゴッホ展のことも5月のエッセイで書いたのでよかったら読んでください^^)
ゴッホ展はものすごい人気で
あのときは
入館までにとんでもなく待たされましたが
今回の北斎展もそれに匹敵する人気とのことで
週末に行ったという人の話では
3時間くらい並ばないと中へ入れなかったとのこと・・・
そんな話を聞いていたのと
ゴッホ展の反省を活かさねば・・・という強い思いから
今回は平日にでかけていったので
そんな大行列に並ぶことなく
すんなりと入れたのですが
会場に入ると満員で
300点以上の展示作品全部を見るには
3時間以上もかかりました
北斎については
今回の展覧会のホームページ
(http://www.hokusaiten.jp/index_jp.html)で
いろいろ紹介されてるので
興味のある方は読んでみてください
自分はかなり楽しめました
芸術家という人達は
その作品を観るのも楽しいですが
その人の歩んだ人生というのも調べ知っていくと
おもしろいというか
惹き付けられるものがあって
どんどん
さらに
いろんなことが知りたくなってきます
やはり
それぞれのアーチストが
独特の人生を歩んでいて
それは世間一般の目からみれば
不器用だったり
不可解だったりするかもしれないけれど
そんな生活風景もまた
芸術作品のようなものなのかも・・・と思います
今回
北斎展へ出かけていって
冨嶽三十六景以外の他の多くの作品も観て
改めて感じたのは
芸術家には生まれた時代なんて関係ないんだな・・・ということです
北斎は今の時代に生まれたとしても
あるいは江戸時代よりも
もっと前の時代に生まれていたとしても
きっと
何らかの形で
膨大な作品を残したに違いない!と思います
次から次へと
産み出された作品群を観ていると
北斎という人の意欲のようなものが伝わってきて
ひとつひとつの作品は
北斎からあふれでてきたエネルギーのようでした
芸術というものが
実はまるでわかっていない自分ですが
芸術家というのは
そういうエネルギーあふれる人であるということは
まちがいないとおもいます
才能とかはその次にくるものなのでしょう
自身の内部からあふれでるほどの
エネルギーを持っていた北斎という人は
たとえ
どんな時代に生まれようとも
きっと何かそういう
抑えきれない自分のエネルギーとか情熱の出口として
その時代における新規な表現手段というのを必ずや見出して
次から次へと作品を発表し
みんなを楽しませたり驚かせたりするのだろうなあ・・・と
そんなふうに思いました
北斎はとても勉強家だったようで
いろいろな作風をどんどん自分の中へとりこんでいきます
時代の移り変わりとともに
作品・・・というか
北斎の技もどんどん進化していくことが
素人にも
はっきりとわかります
今回の北斎展では
『冨嶽三十六景』が
やはり
いちばんのお目当てだったわけなんですが
主役はすべてがすべて
冨士ではありませんでした
もちろん冨士が主役という作品もいくつかありましたが
多くの作品の中で
冨士は遠くの方から
人とか風景を静かに見守るようにそこにあり
いつもなら主役を張るような超一流の役者が
脇役として芝居に出ているようなそんな印象でした
超一流の冨士が
ひっそりと脇役で舞台に登場していることで
人だったり風景だったりが
厚みを増して伝わってくるように感じました
人生50年と言われていた時代に
90歳まで生きた北斎ですが
その晩年に
「いまだ道半ば、百有十歳にならなければ、自らの画風を完成できぬ」
と言っていたとかで
そうしてみると北斎にとっての70代、80代というのは
晩年どころか
一番脂が乗っていた第二の青春時代だったのかもしれません(^^)
北斎のような才能はなくても
北斎のように生きれたら・・・と
そんなふうに思います
晩年なんて
自分が死んだあとで
誰かが使えばいい言葉です
よく歳相応の振る舞いを
他人に期待したり
さもそうするのが当然のように
わかったようなことを言う人がいますが
自分はそういう人間が大嫌いだし
そういう人間は
歳は若くても
既に晩年を生きていることが多いです
帰りに画集も買ってきました
お正月は
この画集を見ながら
今回の北斎展の余韻に浸りたいとおもいます
12月4日
こんどの日曜日まで開催されているとのことなので
興味のある方はどうぞ!
では、また
END
ホームページTopへ