作家になりたい秋
(2006.10.24)



太宰治の小説『東京八景』が好きだ

あの小説の主人公のように
旅行鞄にペンと原稿用紙を詰め込んで
あてのない旅にでてみたい


別に何か書きたいものがあるというんじゃあない

書きたいことなんて何もない


けれども
流れ着いた旅先の町を
あてもなく ひとり ブラブラと歩き
そして
たまたま宿泊することになった宿で
ひとっぷろ浴びて
ビールなんか呑みながら
ああでもない
こうでもないと
どうでもいいようなことを
次から次へと原稿用紙に書き殴り
そして
それをクシャクシャに丸めて
後ろに
どんどん どんどん 放り投げて・・・・

とか
ただ ただ そんなことがしたいのだ


ただ ただ そんなことがしてみたいだけなのだ


誰にも邪魔されず
誰のためでもなく
誰にも気を遣わず
くだらないこと
くだらないひと
くだらないじぶん・・・
とにかく
余計なことは何ひとつ考えない
気ままで贅沢で
でもけして孤独ではない・・・
そんな時間が欲しいのだ


作家になりたい・・・・動機としては
不純だろうか・・・?





END





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