YAMAHAのFGシリーズのギター
(2008.7.21)





いったい何が きっかけで
そうなってしまったのか
忘れてしまったが
2ヶ月くらい前から
気がついたらYAMAHAのギター
FGシリーズに夢中になっている自分がいた


このFGシリーズのギターに関しては
『丸ごと1冊 YAMAHA FG』なんていう
こんな本もでているのだが
今では既に絶版・・・





そのため
はじめてヤフーオークションなるもので
落札して手に入れたりして・・・
(定価の2倍価格にて落札・・・^^;)


好きなことには 本当に マメだなあ・・・と
自分でもつくづく思う(^^;)




YAMAHAのFGシリーズのギターというのは
1960年代から生産されており
その伝統を受け継ぎ
今でも生産されているギターであるが
自分が今 夢中になっているのは
最近のFGシリーズではなく
1960年代後半から1970年代中頃までの
FGシリーズの古いギターだ


YAMAHAのギターはFGシリーズからスタートしたのだが
途中からLシリーズが登場し(Luxury;贅沢品・・・の『L』のようです)
高級な機種は
Lシリーズとして販売されるようになり
その後のFGシリーズは
入門機というか
比較的低価格な部門を担うシリーズとなったようだ


Lシリーズが誕生するまでは
低価格から高価格のものまで
すべてFGシリーズが網羅しており
その頃のFGシリーズのギターというのは
使用されていた木材の質が上質だったことに加え
YAMAHAの思い入れも かなりのものがあったらしく
低価格のものから高価格だったものまで
今、中古楽器市場で大変人気が高いギターになっている



熱心なFGファンの方々が
インターネットのそれぞれのサイトで
各人のギターへの思いや
昔のFGシリーズのギターに対するコメントを
丁寧に書かれており
それを読んでいるうちに夢中になってしまったのかもしれない


1970年代初期に
それまで
ギター材としてはハカランダという木が最適!
ということで
高級機種には ハカランダがかなり使われており
それでも価格はそれほど高くはなかったらしいのだが
その後
ハカランダがやたら伐採されたため減ってくると
ワシントン条約とかいうやつで
ハカランダが伐採禁止となってしまい
それ以降は
ハカランダを使ってギターを作るということが
非常に難しくなってしまったとのこと



ギターのボディーというのは
アコースティックギター(=フォークギターなど)の場合
見てわかるようにもちろん木でできているわけだが
その木の状態には2種類あって
単板と合板がある


単板というのは
一枚の板であり
一般にギターは単板のほうが
音のこもりもなく
良い音がでる(・・・らしい・・・^^;)


合板というのは
一枚板ではなく
何枚か(3枚くらいかな?)
薄い板を重ね合わせたもの


たとえば
さっき書いたハカランダを使っているギター・・・と
一口に言っても
そのハカランダが
単板なのか合板なのか・・・で
これまた
えらく評価が変わってくる


さらに
ギター本体は
表(トップ)、横側(サイド)、後側(バック)と
大きく3つの部分にわけられるが
トップのみが 単板・・・というギターもあれば
トップも サイドも バックも
すべてが単板!!・・・といったような贅沢なギターもあり
とにかく
いろいろあるのである



価格的には
全面単板で作られているギターが
いちばん高価となるのだが
1970年頃は
 サイドとバックがハカランダ単板のギター・・・といえども
5〜10万円くらいで売られていたらしいが
今 そんなハカランダ単板使用のギターを買おうとしたら
ヤマハのカスタムギターでも最高機種となってしまい
100万円近くになる!!



各ギターメーカーは
今では在庫のハカランダで
超高級機種を 少しずつ 作っているらしく
当然のことながら
その在庫量は年々減っていくために
ハカランダ製のギターは
どんどん値上がりしていくという状況にある



自分は
つい最近まで
ハカランダ製のギターというのを
弾いたことがなく
YAMAHAのFGシリーズのギターを知るに連れ
ギターファンのあいだでは
『憧れ』
ともいえる存在となっているハカランダ製ギターの音色というのが
気になって 気になって
もうどうしようもなくなってしまい
そのうち
寝ても覚めても
頭のなかは
ハカランダ製のギターのこと
そして
ハカランダ製のギターの音色のことで
いっぱいになっている自分がいた・・・(^^;)



ハカランダを使った
昔のYAMAHAのFGシリーズのギターというのは
いくつかあるのだが
そのなかでも
特に自分の心を射止めたのは『FGー500』という
1969年5月から1972年6月までの短い期間に販売されたこのギター
(当時の価格で5万円、今だったら50万円くらいの価値だったりして・・・)


FGシリーズのギターの
赤ラベルと呼ばれる時代のもので
ライン生産品としては
最高機種とのことである









このギターは
トップはスプルースという木の単板が使われており
そしてそして
5万円というお手ごろ価格にもかかわらず
(1970年頃の5万円は今では10万円、いや20万円以上の価値かと思われますが・・・)
サイドとバックには
ハカランダが使われているという伝説のギター♪


サイドはハカランダ合板らしいが
バックは何とハカランダ単板!!


ネットや本でいろいろ調べていくと
『激鳴り!』とか
『恐ろしいくらいに鳴る!!』とか
そんなコメントが後を絶たない


そんなコメントを読んでいくと
もう どうしても どうしても 何とかして
このギターを手に入れたい手に入れたい・・・と
そればかり考えて毎日暮らすようになってしまった・・・(^^;)


しかし
ネットでいろいろ調べてみても
オークションを捜してみても
30年以上も前のギターということもあり
綺麗なものは なかなか みつからず
ようやくみつかっても
かなり くたびれていたり
修理しても
本来の音色をだすのか あやしいものが ほとんど・・・


かなりくたびれたものでも
10万円以上で現在は取引されており
そのことからも
このギターの人気・実力の高さがわかる



それで
そのFG−500を求めて
ネットサーフィンを繰り返したり
楽器店を渡り歩いたりしたけれど
なかなか良いものにめぐりあえない

でも
立ち寄ったついでに
その店にある他の
ハカランダ製のギターというのを
いくつかの店で弾かせてもらったりした



自分でハカランダ製のギターというのを弾いてみると・・・

確かに
これまで自分が知らなかった音がそこにあった


自分はこれまで
ローズウッドという木で作ったギターを
弾くことが多く
ローズウッド製のギターの澄んだキラビヤカな音が好きだったのだが
ハカランダ製のギターの音は
何ていうか
ローズウッド製のギターの音よりも
やさしくて温かみがあり マイルドな音質で
ローズウッド製のギターにはない
癖になるような不思議な魅力があるのだった
(もちろんローズウッド製のギターにもハカランダ製のギターには出せない魅力があります)


そんなふうに
ハカランダ製ギターの音色を自分の体に刻んだりもしながら

『いいの でないかなあ〜』

『いいの でないかなあ〜』と

焦りにも似たそんな気持ちで
毎日 毎日 オークションとかで
捜し続ける日々を送っていたのだが
日が経つに連れ
少しずつ冷静になってきて

『まあ そのうち 出逢えるものなら 出逢うだろう・・・』と

最近 ようやく
そんな落ち着いた気持ちに・・・(^^;)



そんなふうに
あきらめたわけではないが
じっくりと待とうかな・・・と余裕ができた頃に
FG−500ではないが
1973年に製造された
やはりハカランダが使われている
かなり綺麗なYAMAHAのFG−450というギターがある!!
という情報が
舞い込んできた


このFG-450というギターも
確かにハカランダが使用されているのだが
サイド・バックは合板であり
FG−500の音色には及ばないものの
このFG−450の音色も相当なものだという噂



ネットで
このFG−450の音色を公開しているFGファンの方もおり
そこで音色を聴いてみると
確かにものすごく鳴るギターであることは一目瞭然(一聴瞭然?)で
特に低音が
恐ろしく鳴るギターであることがわかった


自分は低音、、、
特に6弦が深く鳴るギターが好きで
音量も大きなギターが大好きなので
このFG−450の音を聴くやいなや
たちまち好きになってしまった


その綺麗なFG−450を売っている店というのが
埼玉県にあるということで
それほど遠くなかったため
片道約80キロのドライブとなったが
その店へ クルマで でかけていき
この目で確かめてから買おうと決めた
(以前、中古ギターをネットで買ってひどいめにあっているので・・・^^;)



実際 でかけていくと
確かに 前評判通り
いや それ以上の
35年以上も前のギターとは思えない
かなり綺麗なFG−450が待っていた






弾かせてもらうと
音も確かに
大きくて
低音がズシン!
と響くギター♪

ルックスも渋くて言うことなしで
すぐに購入を決めた


35年も経つと
たいていは
いろいろな部品が少なからず交換されているものだが
このFG−450は
すべてオリジナルパーツのままだった


サドルも全然削られておらず
まだたっぷりと高さが残っており
だからといって
弦高は高いというわけでもなく弾きやすい


35年もまえの
中古ギターでこんな良い状態のものには
なかなかお目にかかれない


もちろん
オリジナルだから良いというわけではなく
オリジナルゆえに
部品によっては
安価なプラスチック素材だったりして
音質を低下させているものもある


そういう部品については
これから
もう少し良いものに
どんどん変えて
さらに高い音質になるようにしていきたいと思ってる



裏側のハカランダの木目もなかなかグッドである(^^)





そして
サウンドホール内には
お約束の型番ラベルが貼ってある

この当時のYAMAHAのFGシリーズは
グリーンラベル期と呼ばれており
型番が印字された
グリーンのラベルがこのように貼ってある






そして
今回は当時のオリジナルハードケースもついていた





店のマスターが
このギターケースを手渡してくれながら

『昔 自分たちが若かった頃は
このケースのことを「ミサイル」って呼んだりしていてね』
・・・なんてことを教えてくれた


こんなマニアック?な情報までゲットすることができたこともあり
今回は
はるばるでかけて買いにいった甲斐が大いにあったな
と思えた瞬間であった(^^)


ギターに限らず
ほんとうに欲しいものは
やはり
自分の目でみて
自分の手で実際に触って
納得してから買わなければいけない


そんなあたりまえのことを改めて思った


FG−450を手にしてから
毎日
このギターを弾いている


とにかくこのギターは
ハカランダ合板とはいっても
パワー感がすごくて
ガンガンというか
ブンブン鳴るギターで
最初のうちは
「かなり自分勝手な奴だなあ」なんて思えた


でも
そんな身勝手さというかマイペースな感じも
このギターの魅力のように思えてきて
弾くほどにこのギターのことが
どんどん好きになっていく感じだ


バックが合板でも
こんなに鳴るのだから
バックが単板のFG−500は
もっと凄いに違いない


自分が
憧れのFG−500をこの手にするのは
いったい
いつになるのか・・・


まるでわからないけれど
いいものをみつけたら
迷わず
何としても手に入れようと思っている


今回
FG−450を買った店のマスターにもいいのが入ったら
連絡ください!!と
しっかりお願いしてきた(^^;)


まあ
その日が来るまで
FG−450の音色に酔いしれて
静かに待とう・・・と

思っている♪




END



P.S.最近『ギターのコーナー:Guitars』を新しく作り
自分のもつギターのことを少しずつ書き始めましたので
よかったらホームページトップから
Guitarsのところをのぞいてみてください(^^)



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